メトロニダゾールの嫌気性菌とは
子猫の下痢はかなりの頻度で出現します。
整腸剤とともによく処方されるのがメトロニダゾール
子猫の体重によって処方量が変わりますが
生後1ヶ月から2か月くらいでは錠剤にできずに
液体になる場合が多いです。
朝晩の二回投与ですがかなり苦い薬です。
獣医師のほうで甘い液体と調合してくれますが
それでも舌に触れると味がわかるのでとても嫌がります。
入れ方を失敗すると口中カニのように泡を吹きます。
そして吐き出そうとします。
ですのでシリンジで入れる時はのどの奥に手早く入れる必要があります。
網の袋などにいれるのもジャンプを阻止することができます。
そもそもメトロニダゾールはジアルジアのような原虫に効く薬です。
原虫は検便でもなかなか発見できず苦労します。
もう一方で嫌気性菌に対しても殺菌作用があり抗菌剤として下痢などの
腸炎にのときにも使用します。
嫌気性菌とは耳慣れない言葉ですのでちょっと調べてみました。
嫌気性菌感染症総論より抜粋
●空気(=酸素)のない条件下で生育する細菌を嫌気性菌anaerobeと呼ぶ。
●嫌気性菌には酸素の存在下では発育できない偏性嫌気性菌obligatory anaerobeと、
酸素があると増殖がよくなる通性嫌気性菌facultative anaerobeとがある。
●一般に嫌気性菌と言う時は、偏性嫌気性菌を指す。
●嫌気性菌は、土壌の中や体の深部(とくに空気の触れない粘膜の中)に常在する。
●土壌中の嫌気性菌(Clostridium)は外因性感染(破傷風など)を起こし、
体内に常在する嫌気性菌(Bacteroidesなど)は内因性感染(敗血症など)を起こす。
●偏性嫌気性菌のエネルギーの獲得の仕方は酸素に依らず、 発酵、光合成および
硫酸塩などを還元・利用するものである。
難しいですね。簡単に言うと酸素を必要としない粘膜の中にいる菌で、
基本は常在菌であり悪さはしないのですが増殖しすぎると下痢症状として出る
この菌はすごく研究していらっしゃる方がいるのでしょう。
奥深いのでちょっとびっくりしました。